雲の絵をかく 

つい先日、夏至を挟んで8泊10日、ダマヌールへ行ってきました。
盛りだくさんのプログラムで、まるで竜巻の中に入って毎日を過ごしたかのように、強烈に充実した日々でした。
それだけダマヌールというところは、凝縮した時間とスピードですべてが動いているのだなと、改めて感じました。
 
さて、そのプログラムの一つとして、雲の絵をかく、という芸術のワークのひとつを受けてきたのですが、この単純なワークが、思った以上のことを私にもたらしてくれました。
講師は、ダマヌールの芸術部門を受け持ち、神殿の絵はもとより、雲の絵の作家としても知られているパンゴリーノさんです。
 
まずは、彼が長年雲を描き続けて得たテクニックを教えてもらい、好きな雲の写真を選んで描き始めました。
雲を描く前に、紙一面に空色のグラデーションをぬっていきます。
そしてその上に、写真を見ながらぐるぐると柔らかく筆を回しながら、白の絵の具で雲を描いていきます。
テクニックとしては、ただそれだけのことなのです。
しかし、グラデーションをきれいに作ることや、そのスカイブルーを見つめながら、一心に筆を動かしていくうちに、心が静まっていくことに気が付き始めました。
 
それは、スカイブルーという色の作用なのでしょうか、それとも、一瞬たりとも同じ形であり続けることはない、雲というものの性質のせいでしょうか。
はたまた、写真を見ながら書くことを通して、雲を構成する水や空の空気という要素を感じ続けることからくるものなのでしょうか。
とにかく、雲を描くことに、写経のように、心の中心が戻ってくるような作用を感じ、驚きました。
 
このワークは本当は6時間はかけるそうですが、都合があって2時間ほどで描き上げました。
が、それだけでも、予想外な気づきを得、しかも一緒に描いている仲間の雲の絵がとても個性がはっきり出ていたことも、非常に興味深かったです。
 
このワークは、沢山の気づきが起こるなどの、思った以上の様々な可能性があるのではないかと感じました。
次回はしっかり6時間かけて描きたいなと思っています。