チェトーニアという名前

こんにちは!動物名シリーズ9人目はチェトーニアです。

ダマヌールの動物名の中では、昆虫名の割合が少ないと聞いたので、ここはひとつ多種多様性のために貢献しよう!と好きな昆虫を探して、こどもの頃から馴染みのある“カナブン”を選びました。夏の盛りになると、マンションの廊下にやってきたり、ベランダの網戸にとまっている甲虫のメタリックに光るきれいな羽を眺めたり、手にのせたりできる、とっても身近な昆虫です。(写真はうちにやって来たシロテンハナムグリ^^) 

 

動物名をとるときに調べたのですが、カナブンは飛ぶ時に、カブトムシのように上の翅を全開にせずに、少し浮かせるだけで、下の翅を伸ばして飛びます。カブトムシやクワガタのように攻撃できる武器はもたないけれど、天敵からすばやく逃げることができます。ホバリングする甲虫なんて、ちょっとシビレませんか!?

 

ダマヌールの動物名はみんなイタリア語です。チェトーニアCetoniaという言葉は、カナブンの学名の中のハナムグリ亜科Cetoniinaeから来ているのでしょう。ここで、ことばあそびが好きな私は、辞書を引いてce tonia にわけて意味をいじってみました!-toniaというのはギリシャ語語源の「張力」「圧力」「調子」という意味があり、ipotonia低血圧やipertonia高血圧など医学用語に使われます。ce は代名詞ciが変化したもので、C’e`「~がある」とすると、「張力・圧力・調子がある」となります。垂直方向に飛び上がるから?とか、チェトーニアということばの音のフリークエンスと、カナブンの性質との間につながりはないかと推理したりして楽しんでいます。

 

話はとびますが、名前というのはとても重要で、神話では神様が人間に目にするものすべてに名前をつける機能を与えたといわれています。人間が名前をつけるから物質は存在できるのであり、人間が観察するから宇宙が存在するという理論が古代からあります。

だから、新しく獲得した動物名も、おたがいに口に出して呼び合うことはとても大事なのですね。いくら名前がかわいくて、チェトポンとかマルにゃんとか呼びたくなっても、ぐっとガマンしています(笑)