たかが種されど種「ホンモノって?」(RANA)

あっと言う間に夏が過ぎ、美しい黄金色だった近所の田んぼも稲刈りがなされ、秋の深まりを感じる頃となりました。

種のバンク用の畑も、今は、夏野菜は種取り用の品種を残すのみとなり、秋播き用の野菜の種から小さな葉が一列に並んで成長しています。

左の写真の野菜は、なんだと思いますか?

 

なんと、これ、ナスなんです。種取り用に一番良い出来のを残しておこうと思っていたら、こんなにジャンボサイズになってしまいました。

種もさぞや立派だろうと思うのですが、実は、あんまり良い種にはならないなあとも思っています。

 

いくら強くて丈夫な作物となる固定種を播いても、その地の固定種として安定するのには、3代育てた3代目までかかるそうです。

つまり、3代かけて、その地に合った固定種になるので、この地での育て方が重要なのです。

その育て方についても、肥料やマメな除草などで至れり尽くせり甘やかし状態で育てると、そういう甘やかされた状態でないと育たないという種になってしまうそうです。

 

最近になって、

「そういえば、このナスは我が家のおばあちゃんが(気を利かして?ダメだと知らずに)化学肥料をあげてしまった物だった。」

と気が付き、種のバンク用としてとっておくための「ホンモノの種」にはならないなあとがっかりしているところです。

 

「いろいろな環境に適合できるような“『ホンモノのたくましい種』を作るためには、甘やかさないで育てることを最低3代続けなくてはならない。」


という自然農法研究会の種作り専門の方のお言葉に、

私が、

「まるで人間の「ようですね。」

と返すと、彼は笑って

「その通り!」

とおっしゃいました。

 

何事も「継続は力なり」なのですね。                (Rana)