本当の自分?

"本当の自分はどれ・・?"、こんな事考えた事、ありますか?
私がこの問いに取り付かれたのは、中学の頃でした。様々な場面で様々な顔を持つ自分、どれも自分には違いないけど、どこかにもっと別の、"本当に本当の自分"、がいる様な気がしていました。
 
最近ある人(Aさん)の話を聞いて、"自分"と上手く折り合いをつけるのは大変だなぁーと思っていたら、遠い記憶の彼方から、"本当の自分・・"というフレーズが蘇ってきました。

A さんは職探しをしていました。次々と応募するも一向に反応がなく、その時の焦燥感と不安は多大なものでした。遂にある会社からの採用通知に、"やったぁ~!"と喜んだのも束の間、ひとつ問題が出てきました。実際の勤務地が、引っ越しをしなければならない所だったのです。しかもそこは誰も知り合いのいない未知の土地。引っ越しには費用もかなりかかります。恋人ともそうそう簡単に会えません。
"う~ん、どうしよう・・"。迷いはありましたが、新しい可能性に賭けてみよう!という気持ちが強くなったので、部屋探しを始めました。

適当な物件が見つかったので、いざ不動産屋で契約書にサインをしようとした瞬間、電撃的に自分の中から"嫌だー、イヤダ、絶対にイヤだ!"という思いが沸き上がってきて、その余りの強さに自分でもビックリしてしまいました。
"すいません、ちょっと待って下さい"とその場を何とか取り繕って帰ってきましたが、ハタと考え込みました。
もし引っ越しをしないという事になれば、採用を断るという事になる。
それでもし今、採用断りの電話をかけたら、その瞬間また激しい後悔の念に襲われる事も、容易に想像できました。
さぁどうしたらいいのか・・?
どっちを選んでも、これで良し!という具合に自分を納得させられそうもありません。

その後A さんがどうしたのかは、ご想像にお任せしますが、あなたならどうしますか?
きっと十人十色の答えが返ってくると思います。対立する自分とどう向き合うか、どう折り合いをつけるか、人それぞれでしょう。その中に本当の自分はいるのでしょうか?

他人事だと思わずに、そんな事をちょっと考えてみても、あなたの中にどういう自分がいるのかのヒントが隠されています。

たまにはじっくり"自分"と向き合ってみる必要があるのかなぁと思うこの頃です。

Egretta