40度近い熱を出すなんて何十年ぶりだろう。
熱が高すぎて脳が煮えてしまうんじゃないかと、 本能的にいのちの危機を覚るほどだった。
脳が煮えるかどうかは別として、熱の上がり方が半端ではなく、 夕食後、熱っぽいなあと思っていたほんの2, 3時間には39度を軽く超えていってしまった。
しかし、 熱というのはウイルスに抵抗するための体の自己防御反応とのこと 、 悪寒でぶるぶる体を震わせて熱を発しているのが妙に快感だった。
翌日、近くの耳鼻科に倒れそうになりながらたどり着き、 受付に行くと2時間待ちといわれたのでいったん家に帰る。
一時間後に受付OKの電話が来たので再び受診しに行く。
検査結果は、なぜか陰性。
先生は「インフルエンザにそっくりな症状だけど、100% じゃない(たぶん正しい結果が出るのは、という意味)からね」 とタミフルを薦められた。
「インフルじゃなくてもタミフル飲んでも大丈夫ですか」 と聞くと、大丈夫、とのこと。
その言葉に疑いはあったものの、 熱の出方の異常さが怖かったので、 それに帯状疱疹の時に科学的な薬で助かったことも思い出して、 薬を受け取って帰る。
しかし無知であることは嫌なので、 飲む前に一応タミフルやインフルエンザについてネットでいろいろ 調べた。
その情報を100%信じたわけではないが、 飲まないなら飲まないなりの対処、判断を即しなければならない。 それくらいの危機感があった。
タミフルは即効いて、高熱は二日間で引いて行った。
タミフルのせいかわからないが、微熱になり始めたとき、 じんましんと頭痛もあり。
ちなみに、解熱剤はのまず、 保冷剤を靴下でくるんで腋の下や鼠蹊部に充てて、 少しだけ身体を楽にした。
今後のための反省点。
夜勤の仕事の時、 インフルエンザ感染者がたくさんいたので気をつけてはいたが、 感染者が少なくなったところで気を抜いてしまった。
予防のための濡れマスクの情報があったのに、 肝心な時にその存在を忘れていた。
肩のひどいコリが取れなくなっているほど疲労がたまっていたのに 、ちょっとの寒さくらい大丈夫と高をくくって防御しなかった。
などなど。
こうして考えてみると、若い時と違って、 最近は簡単に免疫力が落ちてしまい、 その隙にウイルスは入り込んでくるんだなあと、痛感させられた。
しかし、一週間、 本当に動物のように布団の中に丸まっておとなしくしていたら、 インフルエンザになる前よりも体が軽くなり、 とても元気になった。
まるで立春を迎える前の体の準備をするがごとく、 ウイルスが入り込み、( いまだにあれがインフルエンザAだったかどうか真偽のほどは謎だ が)それとともにデトックスしてしまったかのようだった。
めでたしめでたし。