介護~ユマニチュード

認知症の人のケアの仕方で、人としての尊厳を大切に介護する技法、ユマニチュード(Humanitude®)」 ご存知でしょうか。

フランスのイヴ・ジネスト氏によって開発された、認知症の人のケアをするための新しい方法です。

201425日の放送で、NHKクローズアップ現代でも特集されました。

Humanitudeは、人間らしくというhumanから作られた言葉です。

 

「あなたのことを理解したいと思っている」

「あなたに理解されたいと思っている」

「私はあなたを信頼している」

「あなたと一緒にいることができて私はうれしい」

 

相手に対してこのようなメッセージを送ることを、大切に考えながら介護をして行きます。取り立てて特別なことではなく、私たちが普段から何気なくしている「相手の気持ちを想像して人と接する」ことです。

介護する人、介護される人、介護も人と人の出会いから始まるわけで、それを踏まえて、当たり前のことを徹底的にするだけです。


私は、現在認知症の母親の介護の真っ最中ですが、このユマニチュードの本を読んで、自分の老後のことも考えました。もし、自分が介護される側だったら、ユマニチュードを学んだ人に介護して欲しいな~と感じます。

 

認知症の人の言動には全て理由があります。暴言・暴力は、不安やストレスからが殆どです。


「ここはどこなのか」 「いまはいつなのか」 「あなたは誰なのか」


自分がどこにるのか、今は春なのか冬なのか昼か夜か、そばにいる人は誰なのか、このような状態で、誰も教えてくれず、誰にも相談できなくて、言葉にもできなくて、恐れや不安で、大きな声を出したりしてしまう。母親を見ていて、本当にそんな感じですが、本を読んでからは少しずつ理解出来るようになりました。

 

例えば、突然知らない場所で知らない人が来て、行きたくもないのに、いきなりお風呂ですよとかトイレですよとか言われたら、拒否するのも当たり前かも・・。


ユマニチュードでは、まずは「こんにちは」と挨拶から入り、介護者の名前を伝え、「今日はお手伝いさせて下さいね、今日は天気が良いですね、少し散歩しますか、その流れでトイレや、お風呂が沸いたようですから行きましょうか~」 こんな感じです。


初めて出会って、自己紹介して、それから・・・始まるわけで、当たり前のことですよね。


人としての尊厳を持って、当たり前のことを、例え寝たきりで話も出来ない人でも、感情はあります。介護でも、人と人の出会いから始めることは、大切なことだと思います。

 

今は、介護の現場は人手不足で、仕事をこなすだけで精一杯で、流れ作業のようになってしまい、介護する人の都合で回っている感じです。

これからの時代、10年間は老人が増え続け、4人に1人が認知症の可能性で、

介護の現場はどうなるのか・・

 

自分が介護される側になっても、最後まで人間らしく人生を送りたいですね。

是非とも、ユマニチュードが広まって欲しいです。

そして、介護の現場に限らず、「相手の気持ちを想像して人と接する」 という意識が、当たり前のようになって行くことを望みます。

 

Ballerina