おばあちゃんとランの花

最近知り合ったおばあちゃん。
遊びに行くと、いつも玄関先に、素敵な生け花が生けてある。
その花たちは、1メートルはあろうか、古い大きな壺に、斜めに挿してあるだけなのだが、とても粋なのだ。
そして、猫の額ほどの小さなお庭には、昔の家には必ず植えられてあったつつじとか、南天、椿、おもと、などが植えられており、それらがとても調和を保って気持ち良ささそうに生きている。
今はやりのガーデンとやらも素敵だが、この昭和の香りのするお庭にも、独特の魅力があるものだと再発見した。
 
ありがちなそんなお庭に新たな発見ができたというのも、おばあちゃんがしょっちゅうその植物たちを気にかけ、愛で、そのおかげで植物たちが生き生きとしていていたからなのかもしれない。
 
そして、寒い冬につぼみをつけていたランの花が、春になり、一気に見事なピンクとクリーム色の花を咲かせた。
得も言われぬその上品なピンク色に、私の目と心は、とても強く滋養された。
 
わたしは、おばあちゃんの家で、生け花や小さなお庭の四季折々の植物たちの変化の話をするのを、毎回すごく楽しみにしている。
 
マカオーネ