アゲハチョウにまつわるお話、その二

アゲハの幼虫とルームシェアー?するのは今年で何度目だろうか。
寝起きを共にし、枕元に彼らはいるので、もしかしたら、夢を共有しているかもしれない。
また、すべてのアゲハ蝶は、種族としての記憶を共有しているので、どこにより良い産卵場所があるとか、遺伝子にインプットされ、だから毎年我が家に産卵しにくるのかもしれない、などと想像を膨らませている。

ある幼虫は、天井や襖やカーテンでさなぎになり、ある幼虫は、モソモソとベランダへ脱走し、網戸でさなぎになって冬を超えて春に巣立っていった。
 
さなぎになる直前は、急にソワソワと落ち着かなくなり、とにかく遠出しなければ、と必死に動き出す。
畳の上を、結構早足で移動していくそのさまは、なかなかかわいい。
また、さなぎになる場所を見つけるためなら、枝からボトンっと落ちることも平気でやる強者もいる。
最初、私はそんなことも知らなかったので、なんで餌場から離れるんだろう、とわざわざ餌場に戻すなんておせっかいなことをしていた。
 
春のアゲハは、やや小型、夏に成虫になるものは、かなり大きくゴージャスだ。
朝、気が付くと、部屋の中をヒラヒラとアゲハが飛んでいて、窓を開けると、ふわふわ~っと優雅に飛び去っていく。
美しいけれど、とてもあっけない。
 
そしてまた、今日、別の蝶だと思うが、ヒラヒラとミカンの木の周りを舞いながら、卵を産みつけていった。
11個も!
生まれるのは五日後くらいかな。
またまた、楽しみだ。