パイロット・プロジェクト

ダマヌールは、あらゆる研究が日常的に何百人もの人々が関わるシステム全体に適用される、社会的、革新的、実験的な研究室です。

 

これはその種の中でもユニークな温室であり、このダマヌールの特別な持続可能な社会のモデルは、多くの国際的な研究者や学者たちに認められ、世界的にも評価されています。

 

1985年から1986年にかけて、何人かのダマヌール市民が山小屋で完全な自給自足の環境で生活したオーリオ・カルドのような歴史的実験から、最近の、遺伝的疾患の原因に関して、市民600人を対象に実施したスクリーニングに至るまで、ダマヌールは、あらゆる分野において継続的な研究や実験を行っているという点でが、ひときわ際立っています。

EDEコース

2011年より、毎年夏にダマヌールは、エコビレッジデザイン教育(EDE)プログラムを受け入れています。

これは、2005年から始まった“国連持続可能な開発のための教育の10年”に貢献するためのガイアエデュケーション認定の国際コースです。

 

ダマヌールは、他のヨーロッパ国のパートナーと共にこのカリキュラムを創設したメンバーの一員であり、イタリアでは、はじめてこのプロジェクトを受け入れました。コースは1カ月間で、世界中のあらゆる地域から参加が可能です。

 

コースの目的は、持続可能性という観点から、社会的、環境的、経済的、文化的にエコビレッジを計画し、実現するためのすべてのツールを提供することです。

 

このカリキュラムの中でダマヌール市民は、彼らの40年間の経験と、さらにグローバル・エコビレッジ・ネットワーク(Gen)やイタリアン・エコビレッジ・ネットワーク(Rive)との交流を通して得られた知識を加えて提供しています。

 

実際には、多くのダマヌール市民は、参加者が幅広い経験ができるよう、教室での講義と、ダマヌール連合体のさまざまな場所を巡っての講義とを交互に行っています。

 

コースの参加者は、自分たちの経験をコースに提供するということで貢献します。なぜなら、交換というのは、たとえそれが小さいものでも大きいものであったとしても、まさに、あらゆるコミュニティーを創るための前提となるからです。

 

EDEコースのさまざまなエディションは、長年にわたりダマヌールのコミュニティー生活の経験の中で強固になった一連のエコロジカルで持続可能な良き実践が、国際的な機関にも同様に実践可能なモデルであり、資源でありうることを示しました。

 

たとえば、アフリカでは伝統的な村々がエコビレッジの転換現象が急速に成功しつつあり、セネガルではエコピレッジ化をサポートする政府部局さえ存在しています。この傾向を確認して、ダマヌールは、GenネットワークのメンバーでもあるGuédé Chantierというセネガルのエコ自治体と姉妹都市提携を結びました。

 

オリジン・プロジェクト

ダマヌールは、大小の住宅管理のため、先進的な技術設備の設計・設置・実験に向けてEU連合が出資するプロジェクト事業“オリジン(Origin)”プロジェクトへの参加を選定されました。

 

これは、革新的な技術により、住宅や企業施設のエネルギー管理の無駄を突き止め防止ための、パイロットプロジェクトです。

 

このプロジェクトは2012年の夏に始まり、ヨーロッパの3つの大きなコミュニティーで展開しています。ポルトガルのタメラ、スコットランド(英国)のフィンドホーン、イタリアのダマヌールです。

 

参加者リストには、いくつかの大学機関-ヘリオットワット大学(英国)、ISA(ポルトガル)、ストラスクライド大学(英国)-と、応用研究機関であるフラウンフォーファー研究機構(ドイツ)も含まれています。

 

オリジンプロジェクトは、あらゆる形のエネルギーの無駄と使用不足を利用者側から突き止めるため、一年を通してさまざまな時期に、住宅におけるあらゆる形の消費を実験的にモニタリングします。

 

このシステムは、エネル接続、太陽光発電パネルや太陽光集光器、または風力発電装置による自家発電、暖房システム、太陽熱システムといった、あらゆる形のエネルギー消費をモニタリングします。

 

ダマヌールの実験は、再生可能エネルギーの分野に特化した会社であるソレラの監修のもと、ルニャッコ村のデンデラとマジーラというダマヌールのコミュニティー、ヴィドラッコ村のダマヌール・クレアで行われています。